5月にアルゼンチンから帰ってきたときは、「日本でもマテ茶を飲むのを趣味にしよう!」と意気込んでいたものの、実際にはなかなか時間がなくて飲めていない。
ブエノスアイレスの日曜市で買ったマテ茶カップも寂しがっているだろう。
自分を奮い立たせるため、マテ茶の健康効果について少しだけ調べてみたのでメモしておきたいと思う。
マテ茶の成分と健康効果
前の記事にも書いたようにマテ茶は「飲むサラダ」と言われていて、アルゼンチン人は肉食が多いので野菜不足を補う意味もあるようだ。
まず豊富に含まれている成分だが、ポリフェノール、カテキン類、フラボノイド類、それにカルシウム・鉄分・マンガン・亜鉛などのミネラルが挙げられるらしい。
そして主な効能だけで以下のようなものがあるとされている。
「気分転換、ストレス解消、鎮静効果、発ガン予防効果、胃潰瘍予防効果、動脈硬化・心疾患予防効果、血栓症予防効果、高血圧症予防効果、虫歯予防効果、アレルギー予防効果などである。」
(アルベルト松本著『アルゼンチンを知るための54章』より)
すばらしい、飲むしかない!と思わせる内容だ。
実際に、以前日本で開かれた食品展示会でこうした結果が示されると、アルゼンチン企業関係者も驚いていたほどだそうだ。
調べたのは日本の研究者
なぜ日本の食品展示会なのかというと、マテ茶の科学的な研究は、実はアルゼンチンよりも日本の研究者によって積極的に進められたらしい。
その第一人者が城西大学薬学部の和田政裕教授で、マテ茶の効能に関する著書も出されている。
和田教授がマテ茶の効能を調べようと思ったきっかけもユニークだ。
南米諸国の人々は、日本人に比べると何倍もの肉類を消費していますが、野菜類とりわけ緑黄色野菜の摂取量は驚くほど少ないのです。
誰の目にも、アンバランスな食生活としか映りませんが、糖尿病や循環器系疾患をはじめとする生活習慣病の発症率が特に高いというわけではありません。
それはなぜなのか。
この事実が私がマテ茶に興味をもち、研究を始める発端となりました。
(和田政裕著『機能性と栄養に優れた南米のマテ茶』まえがきより)
マテ茶を食べて育った健康そうな鶏肉
先日、近所のスーパーで「マテ茶鶏」という鶏肉を発見した。
販売している日本ハムの公式の説明によると「マテ茶鶏は、ブラジルの広大な土地で栽培されたマテ茶を飼料に配合して育てられた鶏です」ということらしい。
だが説明はこの一言のみで、マテ茶を食べさせることでニワトリにどのような効果があるのか、あるいは鶏肉の質にどのような影響があるのかについては全く分からない。
きっとマテ茶のおかげで人間よりも健康に育ったニワトリなんだと想像する。
けれども逆に、すくすくと育ったニワトリを殺して食べてしまうのが申し訳ないような気もする。