ヒルネクロコップの日記

ペルーに2年ほど住んでいたスペイン語学習者です。 読書や旅行の記録、ラテンアメリカのニュースについて書いていきたいと思います。2023年秋からメキシコに来ました。

ラテンアメリカ

ペルー 女性たちの尊厳を踏みにじった強制不妊手術について

3月8日は国連が定めた「国際女性デー」だった。 ここメキシコシティーでは大規模なデモ行進が行われ、18万人が参加したと言われている。 メキシコでは年間3000人もの女性が殺されていて「もう我慢の限界だ」という女性たちの怒りが国中に渦巻いている。 メキ…

世界中にある「支倉常長」像 ~大航海時代を生きたグローバル日本人~

去年メキシコのアカプルコ市を襲った時速270キロのハリケーンを無傷で耐え抜いたものがある。 支倉常長(はせくら・つねなが)の銅像だ。 この銅像は日墨友好の象徴として1973年に仙台市からアカプルコに送られたものだ。 銅像がある「日本広場」にも被害はな…

初めてマチェテ(山刀)を使った ~アカプルコ植物園でのボランティア~

去年12月、アカプルコで災害復旧のボランティアをしたいと思い、赤十字やキリスト教系の団体など5カ所にメールを送った。 だがメキシコにはボランティアという文化がないらしく、なかなか返事が来ない。 唯一返事をくれたのがアカプルコの植物園だったため…

ピノチェト時代の虐殺・拷問の記憶 ~チリの「記憶と人権の博物館」に行った~

4~5月に行ったチリ、アルゼンチン、ペルー旅行では印象に残る場所がいくつもあった。 まず書き残しておきたいのが首都サンティアゴで訪れた「記憶と人権の博物館」だ。 来月(2023年9月11日)にはチリのピノチェト将軍によるクーデターからちょうど50年とな…

人間よりも健康かもしれない‟マテ茶鶏”!? ~マテ茶の健康効果について~

5月にアルゼンチンから帰ってきたときは、「日本でもマテ茶を飲むのを趣味にしよう!」と意気込んでいたものの、実際にはなかなか時間がなくて飲めていない。 ブエノスアイレスの日曜市で買ったマテ茶カップも寂しがっているだろう。 自分を奮い立たせるた…

アマゾンの森の中までマテ茶を持ってくるアルゼンチン人たち

先日の南米旅行で印象に残った景色の一つが、アルゼンチン人たちがマテ茶を楽しむ姿だ。 とにかく、どこへ行っても飲んでいる。 公園でくつろぐ人、買い物する人、売店の店員、オフィスで働く人・・・。 何度か「え、こんなところまでマテ茶・・・?」と驚く…

大江健三郎 『万延元年』以外の作品もめっちゃ読みたくなった

ムーさんが紹介する大江健三郎おすすめ作品 『万延元年のフットボール』を読んだあと、大江健三郎の他の作品についても知りたいと思い、NHK「100分de名著」やYouTubeの解説を見たりしている。 中でもわかりやすかったのが、「文学YouTuberムー」さんという方…

2年ぶりの南米旅行 いろいろ成仏させてきた

2年ぶりに南米に行ってきた。 仕事の休みを1か月まとまってとれたので、チリ、アルゼンチン、ペルーを駆け足で巡ってきた。 目的地は、チリの首都サンティアゴ、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス、イグアスの滝(アルゼンチン・ブラジル国境)、ペルー…

ジャガー:今まで知らなかったけどアメリカ大陸最強の動物

先月、グアテマラにある野生動物の保護施設に行った。 そこで、ジャガーを初めて見た。 えさを欲しがっているようでウロウロしていたが、歩き方も、肌の模様もかっこよくて美しい。 あまり滞在時間に余裕がなかったのだが、20分ほどうっとりと見とれてしま…

中南米レストランあるある?「メニュー」と「カルタ」のどうでもいい話

スペイン語圏で外食をしているときに、ときどき起こること。 昨日、とあるレストランで食事をしていると、近くの席の外国人のおじいさんと、店員の女性との間で、意思疎通できていない感じが見て取れた。 聞き耳をたててみると、英語話者のおじいさんはドリ…

2020年ふりかえり 幻となったいろんな旅行について

2020年、本当に思い通りにいかない年だった。 世界中の多くの人がそう思っているだろうけれど。 まだ世界が平和だった2020年の年明けの花火(2020/1/1 ペルー・リマ) 幻のパタゴニア旅行 僕の場合、思えばすでに2019年の終盤からすでに思い通りにいかない日…

今年読んで面白かったラテンアメリカ関係の本12冊(後半)

今年読んで面白かった本の中で、ラテンアメリカをテーマとした本の感想を一言ずつ書いてます。 1. 『マラス』工藤律子著 2. 『熱狂と幻想 コロンビア和平の深層』田村剛著 3. 『神秘の幻覚植物体験記』フリオ・アシタカ著 4. 『中南米野球はなぜ強いのか』中…

今年読んで面白かったラテンアメリカ関係の本12冊(前半)

今年読んで面白かった本の中で、ラテンアメリカをテーマとした本の感想を一言ずつ書いてみようかと思う。 取り上げるのは以下の12冊。 少し長くなりそうなので、今回は最初の6冊、次の記事で残りの6冊を紹介します。 (順番に特に意味はありません) 1. 『…

ペルーはなぜ大統領がコロコロ変わるのか <ペルー政変2020 ③>

前にも書いた通り、11月はペルーにとって激動の月だった。 わずか1週間で2回も大統領が交代。 抗議デモによって大勢が負傷し、2人が亡くなった。 hirunecrocop.hateblo.jp hirunecrocop.hateblo.jp ペルーでは2018年にも大統領が汚職によって罷免されてい…

「カナルタ ‐螺旋状の夢‐ 」(エクアドル) 最近見たラテンアメリカの映画 ④

最近、ラテンアメリカを舞台にした映画を4本見た。 先に書いた3作の感想はこちらからどうぞ。 hirunecrocop.hateblo.jp hirunecrocop.hateblo.jp hirunecrocop.hateblo.jp 4本目は、エクアドルのアマゾン熱帯雨林に暮らす人々の生活を記録した文化人類学…

「十字架」(チリ) 最近見たラテンアメリカの映画 ③

最近、ラテンアメリカの政治・社会をテーマにした映画を4本見た。 ベネズエラのドキュメンタリー「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ベネズエラ」と、アメリカ・メキシコ国境の実情を描いた「息子の面影」の感想はこちらからどうぞ。 hirunecrocop.hatebl…

「息子の面影」(メキシコ) 最近見たラテンアメリカの映画 ②

最近見たラテンアメリカを舞台にした映画4本。 先に書いた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ベネズエラ」の感想はこちらからどうぞ。 hirunecrocop.hateblo.jp そして、2本目のメキシコ映画は傑作だった。 「息子の面影」(監督:フェルナンダ・バラデ…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ベネズエラ」最近見たラテンアメリカの映画 ①

ラテンアメリカを舞台にした映画を4本見た。 簡単に感想をメモしておこうと思う。 最初に言ってしまうと、「息子の面影」(メキシコ)は傑作だった。 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ベネズエラ」(ベネズエラ)、「カナルタ -螺旋状の夢-」(エクア…

ペルー警察に殺された2人の若者について <ペルー政変2020 ② >

先月、ペルー全土を揺るがせた大統領罷免への抗議デモ。 14日に行われた2回目の大規模デモのさなか、二人の若者が警察によって殺害されるという悲劇が起きた。 犠牲となったのは、ブライアン・ピンタドさん (22) とインティ・ソテロさん (24)の二人だ。 www…

ペルーの抗議デモに参加し、催涙弾の中を必死で逃げた友達の話 <ペルー政変2020 ① >

11月はペルーにとって激動の月だった。 9日、国民から大きな支持を受けていたビスカラ大統領が国会によって罷免される。 10日、国会議長だったメリノ氏が大統領に就任。 12日、1回目の大規模な抗議デモ。 14日、2回目の大規模な抗議デモ。参加していた2人…

経済成長著しかったペルーが、なぜ医療に投資してこなかったのか

BBCのペルーに関する記事を読んだ。 タイトルは「ペルーにおけるコロナウイスル:なぜ大きな経済成長を成し遂げた国が医療システムにさらに投資してこなかったのか」(2020年6月)。 www.bbc.com ブラジルほど報道されていないので目立たないが、ペルーはCov…