去年12月、アカプルコで災害復旧のボランティアをしたいと思い、赤十字やキリスト教系の団体など5カ所にメールを送った。
だがメキシコにはボランティアという文化がないらしく、なかなか返事が来ない。
唯一返事をくれたのがアカプルコの植物園だったため、ここで一週間働くことにした。
植物園の中はとにかく大変な状況だった。
大半の木が根こそぎ倒されてしまい、植物園の中の道を塞いでいる。
鉢植えなどの植物はぐちゃぐちゃになり、すでに死んでしまっているものが多い。
僕が入ったチームは、倒れた木を外に運び出す作業を担った。
そのままでは重くて運べないので、6〜7人のチームでチェーンソーやマチェテ(山刀)を使って木を細かく切っていく。
このマチェテ、中南米の田舎ではとてもよく使われる刀で、山道を進むときや農作業など、とても頻繁に見る。
だがこれまで実際に使ったことはなかったので、握ってみて少し興奮した。
自分もようやくマチェテユーザーになれたのだと。
だが慣れないうちは扱うのがとても難しく、メキシコ人のようにスパスパ切れない。
きっと力の入れ具合などコツがあるのだろう。
そういえば以前に見た「カナルタ」という映画に、誤ってマチェテで自分を切ってしまい大怪我をしたエクアドルの先住民のおじさんが登場していた。
マチェテを使うときは自分の足を切らないようにするため、刀を自分より外に向けて振らなければいけない。
自分自身を切ってしまう可能性があると思うと緊張する。
チームはとても雰囲気が良くとても楽しい一週間を過ごした。
自分が貢献できたのはほんの少しだが、最終日に離れるときに寂しさを感じるほどに受け入れてもらえていると感じた。
アカプルコの太陽のように、人々の性格もとても明るい。
アカプルコの植物園でボランティアをしたい方はこちらのフェイスブックページからメッセージを送ってみてください。