ヒルネクロコップの日記

ペルーに2年ほど住んでいたスペイン語学習者です。 読書や旅行の記録、ラテンアメリカのニュースについて書いていきたいと思います。2023年秋からメキシコに来ました。

ジャガー:今まで知らなかったけどアメリカ大陸最強の動物

先月、グアテマラにある野生動物の保護施設に行った。

そこで、ジャガーを初めて見た。

えさを欲しがっているようでウロウロしていたが、歩き方も、肌の模様もかっこよくて美しい。

あまり滞在時間に余裕がなかったのだが、20分ほどうっとりと見とれてしまった。

こんな動物にジャングルで出会ったらどんなに恐ろしいことか。


www.youtube.com

施設の説明文によると、ジャガーはシカやアルマジロなどを食べる肉食動物で、しかも「頂点捕食者」に当たるらしい。

つまり、生態ピラミッドの頂点に位置し、唯一の天敵は人間だけだそうだ。

 

でも、ふと気になったのが、チーターやヒョウとの違いは何だろうか?

恥ずかしながらそのときまで全然気にしたことがなかった。

 

www.jalan.net

このサイトには、体の特徴からジャガーチーター、ヒョウを見分ける方法が書いてあって面白い。

でも大事なのは、チーターとヒョウはアフリカ・アジアが生息域なのに対し、ジャガーだけは南北アメリカ大陸に生息している。

ついでに言うとライオンとトラもアメリカ大陸にはいないので、ジャガーがこの大陸の頂点に位置しているのだ。

 

ラテンアメリカを知るにはジャガーのことも知らねばならない。

(ちなみにピューマアンデス山脈などに生息していて、インカ文明では神聖視されていた。)

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ジャガーの分布。主にメキシコから中米、南米にかけて。
うすいオレンジが過去、濃いオレンジが現在の生息地。Wikipediaより引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%83%BC#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Cypron-Range_Panthera_onca.svg

 

歴史をたどってみると、マヤ文明でもアステカ文明でもジャガーは神として崇められてきたそうだ。

手元に資料がないので詳しくは後日調べてみようと思うが、マヤには「ジャガーの爪」という称号の王がいたし、アステカ神話には「テスカトリポカ」というジャガーの神がいて、実際にその姿をまねたエリート戦士集団が存在したという。

ja.wikipedia.org

 

思い出してみると、ペルーのノーベル文学賞作家マリオ・バルガス・リョサの代表作に『都会と犬ども』という作品があるが、中心人物として登場する最強のいじめっ子の名前も「ジャガー」だったではないか。

 

そんなアメリカ大陸の頂点に位置してきた動物も、いまはヒトによる狩猟や森林伐採によって、準絶滅危惧種に指定されている。

 

僕が行ったグアテマラの保護施設「ARCAS」は、数十種の動物を年に300~600頭も引き取る、世界でも有数のレスキューセンターらしい。

ジャガーのほかにピューマやオオヤマネコなども見ることができた。

 

マヤ文明世界遺産「ティカル遺跡」の近くにあり、リゾート都市フローレスからボートでわずか10分で行くことができるので、グアテマラ観光の際はぜひ。

goo.gl

 

ちなみに、グアテマラでは民衆のお祭りにジャガーの仮面が使われるらしく、博物館やみやげ物屋でけっこう見かけた。

スーツケースに余裕があれば一つ購入したかったのだが。。

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